OptoEleMechの日記

主に時計、電卓、カメラの話題

HAMILTON 9929 L.L.Bean レディース クォーツ時計の修理

HAMILTONのカーキシリーズは昔はレディースモデルがあったのですが、もう長い間、販売されていませんね。

ということで、少し前に格安で手に入れたHAMILTONカーキ・フィールド・クォーツ L.L.Beanロゴですが、中を開けると完全に錆びていました。

乗せ換えるムーブメント(ETA 556.115)も現在は販売されていないので、これもオークションで入手。ドイツから郵便で2週間ほどかかって本日到着しました。

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内部が錆びて不動のHAMILTON 9929 L.L.Bean

本日届いた、中古のムーブメント。電池が入った状態で届いたのですが、リューズを押しても秒針が動かなくて、少し焦りました。新しいSR621SWに入れ替えると秒針が動き出し、ホッとしました。

しかし、boillat les boisっていうブランドを全く知らないのですが・・・。

調べるとホームページがありました。1923年創業のスイスブランドだそうです。

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しかし、針と文字盤は取り去って、ムーブメントをHAMILTONに移植です。

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文字盤の裏のバーがテンションで押さえつける部品で2か所固定されています。

写真のように横に引っ張り出せば外れます。写真は文字盤が既に外されているので、文字盤の足は見えませんが、矢印の根元の穴から文字盤から丸い棒が出て、フックのような部品のバネ性で抜けないように押さえつけます。

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文字盤側。カレンダーの23日、27日、30日が汚れたり文字が消えかかっていますね。

古い文字盤等は、拭いたりすると危険なので、触らずにこのままにしておきます。

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針を付けて、動作確認します。

夜光塗料も真っ黒ですが、欠けたりはしていないので、これもそのままにしておきましょう。

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錆落としをしたケースに入れて、裏蓋を閉じれば完成です。

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セイコーのマルチケースホルダーは安定していて作業がしやすいです。

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ベルトを取り付けて完成です。

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文字盤のガラスに傷が多く入っていますが、これもとりあえずそのままにしておきます。

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これ以外にカーキのレディースモデルは以下のものを所有しています。

左3つは手巻き式、右二つはクォーツです。手巻きの錨マークなしのモデルが欲しいですね。

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その他のレディースハミルトン

 

軍用ディスポーザブル・ウォッチ BENRUS MIL-W-46374のオーバーホール

オークションで、BENRUSの使い捨て軍用時計を落札しました。

数秒で秒針が止まってしまうので、不動品ということでした。

 時計に関する投稿はしてこなかったのですが、ネットではあまり情報がなく、今回、試行錯誤したので、どのようにメンテナンスすればよいのかを記録に残しておこうと思います。

 そもそも使い捨てのプラスティック製ボディの時計なので、修理やオーバーホールはしないのが前提となっています。

 

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オークションで落札したBENRUS MIL-W-46374

1969年5月製造のものです。

まず、アクリル製のドーム風防を風防外しを用いて、慎重に外します。

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外れました。リューズの周りにサビの粉が飛び散っていますね。

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そして、細いドライバーで、文字盤の隙間をゆっくり持ち上げます。太いドライバーは隙間に入らないので、無理やりやるとプラスティックボディに傷が付きます。

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文字盤が浮いたら、ムーブメントを上に力を加えながら、リューズをゆっくり回すとリューズのかみ合わせが外れ、ムーブメントが外れます。突然外れるので、力を入れすぎてムーブメントを飛ばさないように気を付けてください。

これで、ムーブメントを取り出すことができました。

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ムーブメントはBELFORTE 7石 MODEL 11K1Fです。BELFORTEはBENRUSの廉価版ブランドです。

リューズはかなりサビていたので、ビザーWでサビを溶かします。

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で、こうなります。

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風防の大きな傷は、1000番程度の紙ヤスリで落として、ピカールで磨きます。

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ここからは、通常のムーブメントのオーバーホールの手順で、全ての部品を分解し、超音波洗浄を実施し、再度組み立てます。Hamiltonの軍用時計に使われているムーブメントETA2801-2のマニュアルを参考に、特定の部品はエピラム液で処理します。f:id:OptoEleMech:20200430161620j:plain

香箱も分解し、ゼンマイの掃除もしたのですが、ゼンマイ巻き取り機のサイズがどれも合いませんでした。ということで、仕方ないので1部品を旋盤で自作し、何とかゼンマイを巻き取り香箱を元に戻します。

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巻き取ったゼンマイ

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香箱の蓋を閉めて元通りにします。

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文字盤を取り付けます。

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ここで、タイムグラファーで、動作チェックしながら調整。

ん~、いくら調整しても姿勢を少し変えるだけで、歩度が大きく変化します。ルビー軸受けは7石しか使っていないので、結構、すり減ってガタがあるので、ある程度のところで妥協します。

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分針と秒針の先端は文字盤に合わせて曲げられています。

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リューズのホゾに溝を慎重に合わせて、ムーブメントをケースに入れ込みます。

真っ白だったケースは、プラスティック保護材のARMOR ALL(アーマオール)を何度も刷り込んで、できるだけ復活させました。

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これで完成です。

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1966年8月製のMIL-W-46374と並べてみると、プラスティックの色がかなり違いますね。

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ほぼ、1日動かしていますが、止まることもなく、1分以内のズレで動いています。

50年以上前の使い捨て時計ですが、使い捨てせずに使い続けることができそうです。

NUMWORKS

ずっとブログを更新していませんでしたが、昨年末にNUMWORKSの電卓を購入して、使わずにそのままにしていました。

結局、他のことで忙しくて、まだ全然使っていないのですが、久々に電源を入れて、とりあえずソフトウェアのアップデートだけしておきました。

Pythonが使えるので、色々遊べそうですが、最近はC#でプログラムすることが多いので、また、しばらくお蔵入りです。

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パッケージ



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保護ケースは結構固くて、なかなか開きません。

 

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USBケーブルはオレンジ色です。

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メニュー画面

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USB接続をして、Webからソフトウェアのアップデートが行えます。

 

新旧比較

先日届いたDM16Lと本家HP-16Cの外観比較写真を撮りました。

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上がHewlett-Packerd HP-16C、下がSwissMicros DM16L

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かなり忠実に再現していますが、キーの形状は、真似できなかったみたいですね。

斜めのところに文字を入れたり、色の違うキーを作るのはお金がかかりますからね。

裏の記載内容は同じになっています。

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次は、HP-42SとDM42の外観比較です。

左がHP-42Sで、右がDM42です。

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キーの配置は同じです。DM42には一番上にファンクション専用キーがあります。

こちらはHPがキートップにオレンジ色のプリントで、SwissMicrosは黄色のキーになっています。

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ついでに、社会人になってすぐに購入した関数電卓のHP-32SIIも載せておきます。

なぜRPN電卓を購入したのか、記憶にないのですが、これがRPNデビューの電卓です。

大学生のころに使用していたSHARP関数電卓の液晶が壊れたため、購入したという記憶だけが残っています。

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おまけ

キーがやたら多いコモドール(commodore)の電卓

左がSR4120D、右がN60

N60はnavigator calculatorということで、航空機の計算用の機能が搭載されているモデルです。キーが60個あるのでN60という名前だそうです。

 

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ちなみに、Commodore 64の復刻版が発売されるようです。

The Official C64 website – The World’s Best-selling Home Computer – Reborn!

 

SwissMicros DM42とDM16L

SwissMicrosの電卓DM42とDM16Lを購入しました。

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DM42はHewlett-PackardのHP-42Sの互換的な機種です。

DM16LはHP-16Cの互換機です。

緩衝材もない非常に簡易的な梱包で発送されてきました。

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DM16Lの液晶に液晶のドット模様が入っていました。

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ネットで調べたら、SwissMicrosに連絡すると交換用の液晶を送ってくれて、自分で交換したという記事がありました。

SwissMicrosにメールすると、修理方法が分かったとのこと。

「70度の雰囲気に1、2時間放置すれば、ドットは消える」と書いてありました。

更に「真夏の自動車の中に放置しておいても構わない」とも...。

そんな都合よく自宅に雰囲気炉なんて持っていないし、今は冬なので自動車の中で放置しても意味ないし、ということで、電気ヒーターの前で温度が上がりすぎないように注意しながら(手感ですが)、加熱したところ、確かにドットは消えました。

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本体ごと加熱して構わないとメールでは言われましたが、ちょっと嫌なので、分解して、液晶パーツを取り出しました。

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電源が切れていてもドットは消えません。

これをヒーターの前で加熱して、しばらく待ちました。

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加熱すると、液晶が変化しますが、温度が下がると、だんだん元に戻っていきます。

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全体的に温度が下がると、ドットが確かに消えました。

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元に戻して、完成です。

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購入者が自ら修理をする商品というのもなかなか面白いですね。

失敗したら、保証期間中だったら新品と交換してくれるのかもしれませんね。

TOWER RECORDSの電卓

前回からかなり期間が開いてしまいましたが、また電卓の話題。

使いやすそうだったので、レコードストアのTOWER RECORDSの電卓を購入しました。

裏を見るとCanon製で、元となっている機種はLS-Smart Miniというモデルでした。

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 一番よく使っている一般電卓は、昔、秋葉原のパソコンショップのT-ZONEで貰ったCanon LS-25Hだったりします。

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総和のベンチマーク結果

CASIO fx-CG50とfx-CG500で、「電卓喫茶」のnekosuki2017さんの総和のベンチマークを実行してみました。

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結果は以下のようになりました。

fx-CG50

n 計算結果 計算時間
100 4941.829141 1秒未満
1000 501437.1351

5秒

10000 50004626.12 53秒
100000 5000096555 8分46秒

 

fx-CG500

n 計算結果 計算時間
100 4941.829141 9秒
1000 501437.1351

7秒

10000 50004626.12 56秒
100000 5000096555 4分12秒

 

fx-CG50は、fx-CG10より少し早いのですが、TI N-Spire CX CASよりかなり遅くなりました。

総和の場合、単純な繰り返し計算になるので、fx-CG50の結果は、nの数が10倍になれば時間も10倍にほぼなっています。

fx-CG500は、n=100は、n=1000より時間が多くかかるという現象が起こりました。

何度かやり直しても同じ結果です。さらに、計算結果は比例していません。

数式を展開してまとめたりしているのか、n=10000の時は、fx-CG50より早くなっています。