前回は、型番について書きました。
では、一つずつ詳細に見ていくことにしましょう。
9219
9219という4桁の番号が裏蓋に刻印されているモデルです。ムーブメントはETA2750です。文字盤は、ロゴのHのマークの下にHAMILTONの斜体文字があり、Khakiの文字が大きく太いのが特徴です。時間の数字のフォントは端部が丸くなっています。
921980
すみません、見えにくいのですが、左上に921980と刻印されています。
社名もHAMILTONだけから、HAMILTON WATCH CO LANCASTER, PAとなっています。
921980だけ6桁の番号が刻印されています。写真の個体はムーブメントとして、Hamilton Cal.649(ETA2750ベース)が搭載されています。ただ、921980なら649が載っているのかというと、そういうわけではないみたいです。私が持っている921980を3個見ましたが、649はこれだけでした。他は9219の写真と同じ刻印のムーブメントでした。まぁ、649といっても、刻印の違いだけで、他はETA2750と同じように見えます。ベースプレートにはしっかりETAのマークと2750と刻印されているので、カスタムしているわけではなさそうです。
文字盤自体は9219とほぼ同じなので、9219と921980の違いが何なのかは不明です。発売時期に違いがあるのかもしれませんが、今のところ不明です。
9219も921980もストラップを通すバネ棒が取れない、はめ殺しタイプとなっています。ラグの幅は11/16インチ(17.4mm)です。
9415
9415の文字盤は9219(80)とデザインは非常に似ていますが、数字のフォントの端部が丸から角ばったものに変わっています。丸ゴシックから角ゴシックの違いと言えばいいでしょうかね。そして、針が変更になっているものがあります。長針、短針もわずかに幅が狭くなり、秒針も細くなって、矢印と反対側のバランスを取る丸い径が大きくなりました。
あと裏蓋の刻印が9415の一時期だけ、真ん中に「HAMILTON WATCH CO LANCASTER, PA」が刻まれました。その後、またHAMILTONだけになります。
ムーブメントがETA2750(HAMILTON Cal.649)からETA2801-2に変更になり、振動数も21,600振動から28,800振動へと変わりました。
ケースも変わり、ラグの幅は18mmになり、ばね棒の穴が貫通していて、ばね棒が取れるようになりました。
9415A
9415AとAがついた理由はよくわかりませんが、ムーブメントはETA2801-2で変更ありません。ムーブメントの刻印にHAMILTONが入っていたり、入っていなかったりしますが、基本的には同じです。9415との違いは、ムーブメントのスペーサが金属から黒いプラスチックに変更になっています。
9415から9415Aになる前後で、文字盤のHAMILTONの文字が変更になりました。そしてHのマークもなくなりKhakiの文字が小さくなりました。3,6,9,12時の三角マークだけ大きくなりました。この文字盤、針で9415のものも存在します。
ただ、上の写真の2つ目のものは、アワーマークがドットタイプのものは、Khakiの文字が少し大きく、針も昔のタイプです。
前回、ムック本「ミリタリースタイル」の写真を紹介しましたが、本は1999年発売で、このドットタイプが載っています。ただ、掲載しませんでしたが、その横に載っていたクオーツモデルは針の丸が大きいタイプなんです。
2004年からは、ノンデイトのKhakiは無くなるのですが、2004年のカタログのKhaki Field Mechaは、上のタイプです。
このあたりの順番が不明です。
9895
文字盤は、9219(80)とほぼ同じですが、刻印が9895となっています。
そしてムーブメントがHAMILTON Cal.849(ETA2850ベース)です。
これは28,800振動の廉価版のモデルのようです。裏蓋にはLANCASTERの刻印があることから、9219と9415の間で一瞬発売されたのでしょうか?
The Military Watch Resourceのページにヒントがありそうです。
これによると、軍に供給していたモデルのGG-W-113で、このHAMILTON Cal.849を搭載しているものがわずかに存在しているようです。軍用のものは製造年月が記載されていて、リンクのページの時計は1982年11月のもののようです。
市販モデルは軍用のGGとパーツは共通しているので、9895もこの時期に生産されたのではないでしょうか?
すぐに9415に移行したのではないかと思われます。
とりあえず、すべての型番をざっと一通り紹介しました。