ミリタリーウォッチの定番として、TUTIMAのミリタリー・クロノグラフがあります。
程度の良くないものをオークションで落札してあったのですが、修理しないまま放置してありました。ネジを巻くと時計としての機能は問題なさそうですが、クロノグラフのプッシュボタンが押された状態のままで戻ってこないので、クロノグラフが正常なのかどうかは分かりません。
ハミルトンの組み立ても放ったままですが、先にこのミリタリークロノグラフを修理したいと思います。いつものように修理前の写真をちゃんと撮っておくのを忘れていました・・・。
ケースに傷がたくさん入っていて、傷の部分がツヤ有りになってしまっている箇所がかなりあります。
また、裏蓋がいつものオープナーでは固すぎて開きませんでした。そこで、もう少ししっかりした裏蓋オープナーを使用します。
なんとか回りました。かなりサビサビです。ムーブメントは、LEMANIA(レマニア) 5100です。
今回はムーブメントの分解掃除はせずにケースのクリーニングと、傷の修復に専念しようと思います。
リューズのOリングが溶けていますね。ケースの右上側が擦れて、光っています。
左上は打痕がたくさんあります。
風防も取り外さずにケースのブラスト処理をしようと思います。
ブラスト処理といっても、金剛砂の荒目を高いところから落として、表面を処理します。何度も繰り返すと、だんだん艶が出てしまっていたところが艶消しになって、周囲と同化していきます。
ケースも同様に実施して、ブラスト処理は完了。超音波洗浄しておきます。
リューズのOリングは合うものを持っていなかったので、今回は、とりあえず無しで、リューズを取り付けておきました。傷だらけだったブレスレットも、ブラストしなおしたので、綺麗になりました。
プッシュボタンを押すとクロノグラフがスタートし、離すとボタンが元の位置に戻ります。同じボタンでストップさせて、下のリセットボタンで針がちゃんと元の位置に戻ります。動作は問題ありません。
擦れていた部分が、ほとんど見えません。打痕部もブラストされて目立たなくなりました。
今はこのミリタリークロノグラフも状態の良いものが少なくなってきました。
元の状態から考えると、今回の修理で、かなり良い状態になったと思います。とりあえず、通常使いはできます。
そのうち気が向いたら、オーバーホールに出そうと思います。練習用のETA7750のクロノグラフのオーバーホールでトレーニングして、自信がついたら、自分でオーバーホールしようかな・・・。