以前のKhakiの記事(3)で、9895の刻印のあるKhakiのムーブメントはETA2850ベースのHamilton Cal.849であったということを書きました。
ただ、その個体は、ハック機能が働かず、またゼンマイの巻き上げも非常に調子が悪く、途中でゼンマイが急にほどけてしまったりしていました。
ムーブメントをよく見ると、コハゼのバネが地板を固定するネジに巻き付けられています。
本来のコハゼがなく、コハゼの代用となるバネを無理やり手作りし、地板のネジをバネを固定する部品として流用しています。
巻き上げている途中で、うまく丸穴車をロックできずにゼンマイがほどけてしまうことがあったのはこれが原因のようです。
更に分解して確認すると、ハック機能を司るテンプの回転を止めるレバーもありません。
ということで、eBayでコハゼとハックレバーを見つけて購入しました。
ムーブメントによって、レバーの長さが違うので要注意です。
ハックレバーは新品の単品販売があったので、それを購入しました。
コハゼだけの出品は無かったので、仕方なく、WITTNAUER WATCH Coという刻印の入ったETA2851ムーブメントをeBayで落札し、コハゼだけを移植しました。
しっくり収まりました。
これで、オリジナルの状態に戻ったのではないでしょうか?
修理店がパーツを無くし、適当に何とか使えるように、やっつけの部品を取り付けて修理をしたという感じでした。
これは外観写真では分からない内容なので、ネットで中古品を購入するときは、動作の状態をしっかり出品者に確認したほうが良さそうです。
ただ、この時計も動作は問題なしということでした。