OptoEleMechの日記

主に時計、電卓、カメラの話題

HAMILTON Khaki ハミルトン カーキ (11)

以前のKhakiの記事(3)で、9895の刻印のあるKhakiのムーブメントはETA2850ベースのHamilton Cal.849であったということを書きました。

ただ、その個体は、ハック機能が働かず、またゼンマイの巻き上げも非常に調子が悪く、途中でゼンマイが急にほどけてしまったりしていました。

ムーブメントをよく見ると、コハゼのバネが地板を固定するネジに巻き付けられています。

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Hamilton 849

本来のコハゼがなく、コハゼの代用となるバネを無理やり手作りし、地板のネジをバネを固定する部品として流用しています。

巻き上げている途中で、うまく丸穴車をロックできずにゼンマイがほどけてしまうことがあったのはこれが原因のようです。

更に分解して確認すると、ハック機能を司るテンプの回転を止めるレバーもありません。

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ハックレバーがない

ということで、eBayでコハゼとハックレバーを見つけて購入しました。

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ハックレバー

ムーブメントによって、レバーの長さが違うので要注意です。

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ハックレバーの取り付け

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バネと一体になったコハゼ

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組付け完了

 

ハックレバーは新品の単品販売があったので、それを購入しました。

コハゼだけの出品は無かったので、仕方なく、WITTNAUER WATCH Coという刻印の入ったETA2851ムーブメントをeBayで落札し、コハゼだけを移植しました。

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ドナー

しっくり収まりました。

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組み立て終了

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ケースに収めて問題なく動作することを確認

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完全復活です

これで、オリジナルの状態に戻ったのではないでしょうか?

修理店がパーツを無くし、適当に何とか使えるように、やっつけの部品を取り付けて修理をしたという感じでした。

これは外観写真では分からない内容なので、ネットで中古品を購入するときは、動作の状態をしっかり出品者に確認したほうが良さそうです。

ただ、この時計も動作は問題なしということでした。