APS規格
皆さんはAPSフィルムをご存知でしょうか?デジタルカメラのセンサーサイズにAPS-Cサイズという名称が今でも使われていますが、若い人はAPSフィルムを知らないと思います。
APS(Advanced Photo System)というのは、富士フイルム、イーストマンコダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンによって共同で開発されたカメラシステム規格です。1996年4月に販売が開始されました。それに用いられていたフィルムはIX240という規格のフィルムでした。
フィルムに磁気をコーティングしてある部分があり、そこに撮影時の設定、日付・時間、プリントサイズ・枚数指定、コメントをカメラから記録できました。
カメラにプリント時の縦横比を指定できるスイッチが搭載されていて、そのモードが、H(ハイビジョン 16:9)、C(クラシック 3:2)、P(パノラマ 3:1)の3種類ありました。フィルムに実際に露光されているサイズは、APS-Hの16:9で30.2mm×16.7mmなのですが、プリントする際にトリミングした23.4mm×16.7mmのフィルムサイズを使用するのがAPS-Cです。APS-Pで使用されるフィルムサイズは30.2mmx9.6mmで、上下がトリミングされました。このAPS-Cサイズに近いサイズのセンサーサイズをAPS-Cサイズと呼ぶようになったわけです。
持っていたAPSカメラ
僕は、APSのカメラはキヤノンのIXY320を持っていました。当時の写真を見ると1999年9月12日に新橋のキムラヤで購入したようです。定価48,000円となっています。
下の写真にはAPSフィルムのパッケージも写っています。富士フィルムnexiaの40枚撮り5本パックISO400で、東急ジャンボーの2,180円の値段が付いています。
今でも、フィルムは残っています。フジカラーのカートリッジファイル36というファイルに入れてあります。
カートリッジホルダーは、こんな感じです。36本入ります。実家にフィルムがもっと残っていると思いますが、手元にあるのは16本です。APSフィルムはプラスチックカートリッジに入っていて、現像後もカートリッジに巻き戻して返却されました。
APSフィルムを現像に出すと、プリントインデックスがついてきました。フィルムがカートリッジに入っているので何枚目に何が撮影されたかを知るにはこれが必要になります。
焼き増しする際に、カメラにフィルムを入れて、磁気データのプリント指定枚数を書き換えて、それを元にプリントしてもらうことも出来たと記憶していますが、そんな面倒なことは誰もしたくないので、焼き増し注文用紙というものがありました。
紙にインデックスプリントを元に焼き増し枚数を書き込み、カートリッジを上部に入れて出すのです。その注文用紙も何枚か残っていました。
全体像はこうなっています。
データ化
上のカートリッジの写真に日付が書いてあるように、昨年の1月にフィルムスキャナでスキャンしていました。
家庭用のフィルムスキャナの最高峰と呼ばれていたNikon SUPER COOLSCAN 5000EDを今でも持っています。これにAPSアダプターを取り付けて読み込ませました。
このようにセットすると、自動的にフィルムを引き出して、スキャンすることができます。
2001年にタイに行った時の写真をスキャンしたものがこちらです。左下に変な光が入っています。
COOLSCANの画質は良いのですが、APSフィルムの特徴である磁気データが読み出せません。磁気データを読み出せるフィルムスキャナとしては、OLYMPUSのES-10を持っているのですが、接続方式がSCSIなので、これを使用できるようにするにはSCSIボードを付けて、WindowsXPをインストールしたPCを準備しないといけません。以前、このスキャナを使用できるようにしたことはありますが、それからかなり時間が経って、OSもどんどん変わりました。今、環境を構築するのはかなりハードルが高いですね。
実家のAPSフィルムを全て揃えて、頑張って環境を構築して、一気に磁気データの読み込みをしてしまいたいと思っています。