ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)のポン デ ザムルー(Le Pont des Amoureux)というからくり時計が前から気になっていました。
AliExpressを見ていたら、文字盤にブランド名の記載はありませんが、そっくりな時計が販売されているので購入してみました。
本物は機械式の時計ですが、AliExpressのものはクオーツです。どうやって動きを再現しているのかが気になりました。

届いた時計

かなり似ています
デザインは、旧タイプのものです。新しく少し動きが変わったものは、月がもっと上にあります。ブランドのロゴが無くなっただけで、背景とかはそっくりです。男女の形は似ていますが、表面の凹凸はありません。
実物のこちらが旧タイプ
www.gressive.jp
こちらが現行タイプ
www.vancleefarpels.com
レトログラードの針が男性と女性になっていて、12時から1時になる時に最も近づきます。

真ん中で男女が近づきます

裏
時と分は、上の2か所のボタンで個別にセットします。リューズのように見えるものはダミーです。

2か所ボタンが付いています
ただ、届いた個体は、12時を超えても時針が戻らない状態でした。ボタンで操作すると、分針は正しい動作をしますが、時針は、12時から1時に戻る際に、1時にならずに中途半端な位置で止まります。
ということで、分解して確認して見みます。

分解

ムーブメントを取り出したところ
ムーブメントを取り出すと、こんな感じです。

ムーブメント
ムーブメントを取り出して動かしていると、一見問題なさそうです。
ただ、この状態で放置していると、次に見た時にはこのような状態に!

女性が行き過ぎている
とりあえず、もう少し分解してみることにしましょう。
電池は、CR2016です。

電池
電池を取り除くと、独立したクオーツムーブメントが見えます。時針と分針を個別に動かしているようです。
クオーツムーブメントは蓋がプラスチックを溶かして固定してあるので、これ以上の分解はお手上げです。

2個のクオーツムーブメント
時針のボタンを押して、動きを確認していたら、針が戻ろうとするときがあります。とりあえず、針が戻る時に12時を指すように針の位置を調整してみます。何度か試していると1時に針が戻る時に、針が動かずに空転するような動きをするときがあります。そうなると中途半端な時間の位置からスタートすることになり、空転した分だけ12時を超えて動いていってしまいます。
ただ、ケースに入っている時は、男女の足元のプラスチックのカバーのWの形をした部分と針の下の突起部がぶつかって、12時を超えることが無いようです。

カバーで針の動く範囲を規制している
時針が1時に戻り切らなかったら、その時間分だけ12時で居座ります。そして、1時まで戻れば次からは正しい時間を指すことになりますが、結構な割合で空転が起こるようです。
どうも針が重すぎるようです。それほどトルクが無いクオーツムーブメントに重い針を付けたのが故障の原因のようです。ただ分針は常に正しく動いているみたいです。
まぁ、オモチャとして購入したので構いませんが、この時計のために専用のモジュールを作成するとは気合が入っていますね。
説明書が無いので、最初、針の合わせ方に悩みました。分針は一度ボタンを押すと2分
進みます。セット後の実際の針の動きも1分毎には動いていないと思います。時針は1時間ずつ動きます。
ただ、時針を合わせた後に、分針が動くと時針が1時間進みます。ということで、時針を合わせる際は、1時間前に合わせておくと、2分ぐらいすると1時間進んで時刻が合います。この動きが正しい動作なのかは不明です。