OptoEleMechの日記

主に時計、電卓、カメラの話題

HAMILTON Khaki ハミルトン カーキ (4)

※リンク切れのページがあったので一部修正しました(2020.06.30)

※内容を一部修正しました(2022.02.28)

 

前回の内容を総合すると発売された順番はこうなるのではないでしょうか?

 

9219(80)

9895

9415

9415A

 

921980が、一番よくわからないので、9219(80)で、まとめました。921980が最初で、9219シリーズで裏蓋を共通化できるように4桁に減らしたのかもしれません。今、分かっている6桁の番号は、921913, 921916, 921976, 921980ですが、921980以外は、刻印は4桁ですし、9415で始まる刻印であっても、正式なモデル名は921913だったりするので、複雑です。

ハミルトンが発売した市販のKhakiシリーズの一番最初の発売が何年なのかはっきりしないのですが、ネットの情報から考えると、1980年代の初めぐらいだと思われます。

よく、軍用の供給と混同していることがあり、情報が曖昧です。

以前あったWebサイトには、イタリアのディーラーが’80年代に再生産を依頼したとありました。

どこのサイトか忘れましたが、「1980年代にMIL-W-46374Aの生産が終了した際に大量生産の余剰能力をKhaki Field Watchとして一般市場で販売した」という記載があったと自分のノートにメモしてありました。でも1980年代なので、MIL-W-46374Aではなくて、MIL-W-46374Bの間違いのような気がします。MIL-W-46374Bは1983年まで製造されています。

ただ、1960年代の終わり頃から、L.L.Beanとのコラボレーションで、9219タイプのものを通販で売っていたとも書いてあります。ハミルトンのKhakiシリーズよりこちらの方が先だったということですね。

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L.L.Bean

ということで、1980年代初めごろからKhakiシリーズが始まり、1980年代の終わりごろまで9219(80)が続き、9415が90年代中頃までで、9415Aが、2003年の生産終了まで続くということでしょうか。

そして、2004年に9415Aの刻印で限定生産バージョン(H73319833黒文字盤、H73319993茶色文字盤)が発売されます。

その後、2012年にSHIPSとのコラボレーションで、33mm径で、デイト表示なしのモデルHAMILTON for SHIPS(H697190)というのがありますが、こちらはムーブメントがETA2801-2ではなく、ETA2804-2というデイト付きのムーブメントをそのまま使用したものです。当時発売されていた33mmのデイト付きKhaki Field Mechanical(H69319363)の文字盤を替えただけのようです。風防もサファイアクリスタルで、ドーム型のプラ風防ではありません。

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HAMILTON for SHIPS

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丁寧にムーブメントの記載まであります(2804-2)

デイト付きのムーブメントを使用しているので、リューズは2段に引くことができて、カレンダーの早送りもできます。気持ち悪いので、時刻を合わせる際には、12時を過ぎてカレンダーが変わる音を確認して、午前午後を合わせたくなります。中を開けていないので確認できていませんが、カレンダー自体もそのまま存在しているのでしょうね。

さすがに日付までは見えないので合わせられませんが・・・。

あと、HYSTERIC GLAMOURとのコラボレーションモデル(921913HG)を出していますが、こちらは1999年発売なので、9415Aの文字盤を迷彩柄にしたものでした。

ということで、手巻き、ノンデイト、33mm、プラ風防のKhakiは、2004年で生産終了ということになります。

ケース

ケースについて、もう少し詳しく説明しておきます。

9219(80), 9895のケースはラグの幅が11/16インチ(17.4mm)で、9415(A)は、18mmです。

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ラグの幅の違い


 あと、ストラップのバネ棒が9219(80)は、いわゆる「はめ殺し」タイプです。また、9415(A)は、ラグの穴が外まで貫通しています。

(2022年2月28日修正) 

あと、ストラップのバネ棒が9219(80)は、いわゆる「はめ殺し」タイプになっていることが多いようですが、ラグの幅が11/16インチ(17.4mm)の9219(80)タイプでも、貫通穴が開いているものも存在しています。9415(A)は、ラグの穴が外まで貫通しているようです。

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9219(80), 9895

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9415(A)

そして、バネ棒を外すことが可能になったので、ナイロンストラップ以外も取り付けることができるようになりました。そこで、厚みのある皮ベルト等を使用した際に、ケースと擦れないように、ケースに少し切り欠きを作って、隙間を少しでも増やそうとしています。

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9219(80), 9895は、ケースは円筒のまま

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9415(A)は、バネ棒の近くを少し切り欠いてあります

 

HAMILTON Khaki ハミルトン カーキ (3)

前回は、型番について書きました。

optoelemech.hatenablog.com

では、一つずつ詳細に見ていくことにしましょう。

 

9219

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9219

 

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9219裏

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ETA2750

9219という4桁の番号が裏蓋に刻印されているモデルです。ムーブメントはETA2750です。文字盤は、ロゴのHのマークの下にHAMILTONの斜体文字があり、Khakiの文字が大きく太いのが特徴です。時間の数字のフォントは端部が丸くなっています。

 

921980

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921980

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921980裏

すみません、見えにくいのですが、左上に921980と刻印されています。

社名もHAMILTONだけから、HAMILTON WATCH CO LANCASTER, PAとなっています。

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Cal.649(ETA2750ベース)

921980だけ6桁の番号が刻印されています。写真の個体はムーブメントとして、Hamilton Cal.649(ETA2750ベース)が搭載されています。ただ、921980なら649が載っているのかというと、そういうわけではないみたいです。私が持っている921980を3個見ましたが、649はこれだけでした。他は9219の写真と同じ刻印のムーブメントでした。まぁ、649といっても、刻印の違いだけで、他はETA2750と同じように見えます。ベースプレートにはしっかりETAのマークと2750と刻印されているので、カスタムしているわけではなさそうです。

文字盤自体は9219とほぼ同じなので、9219と921980の違いが何なのかは不明です。発売時期に違いがあるのかもしれませんが、今のところ不明です。

9219も921980もストラップを通すバネ棒が取れない、はめ殺しタイプとなっています。ラグの幅は11/16インチ(17.4mm)です。

9415

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9415

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9415裏

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ETA2801-2

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9415

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9415裏

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ETA2801-2

9415の文字盤は9219(80)とデザインは非常に似ていますが、数字のフォントの端部が丸から角ばったものに変わっています。丸ゴシックから角ゴシックの違いと言えばいいでしょうかね。そして、針が変更になっているものがあります。長針、短針もわずかに幅が狭くなり、秒針も細くなって、矢印と反対側のバランスを取る丸い径が大きくなりました。

あと裏蓋の刻印が9415の一時期だけ、真ん中に「HAMILTON WATCH CO LANCASTER, PA」が刻まれました。その後、またHAMILTONだけになります。

ムーブメントがETA2750(HAMILTON Cal.649)からETA2801-2に変更になり、振動数も21,600振動から28,800振動へと変わりました。

ケースも変わり、ラグの幅は18mmになり、ばね棒の穴が貫通していて、ばね棒が取れるようになりました。

9415A

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9415A

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9415A裏

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9415A

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9415A裏

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ETA2801-2

9415AとAがついた理由はよくわかりませんが、ムーブメントはETA2801-2で変更ありません。ムーブメントの刻印にHAMILTONが入っていたり、入っていなかったりしますが、基本的には同じです。9415との違いは、ムーブメントのスペーサが金属から黒いプラスチックに変更になっています。

9415から9415Aになる前後で、文字盤のHAMILTONの文字が変更になりました。そしてHのマークもなくなりKhakiの文字が小さくなりました。3,6,9,12時の三角マークだけ大きくなりました。この文字盤、針で9415のものも存在します。

ただ、上の写真の2つ目のものは、アワーマークがドットタイプのものは、Khakiの文字が少し大きく、針も昔のタイプです。

前回、ムック本「ミリタリースタイル」の写真を紹介しましたが、本は1999年発売で、このドットタイプが載っています。ただ、掲載しませんでしたが、その横に載っていたクオーツモデルは針の丸が大きいタイプなんです。

2004年からは、ノンデイトのKhakiは無くなるのですが、2004年のカタログのKhaki Field Mechaは、上のタイプです。

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2004年カタログ

このあたりの順番が不明です。

 

9895

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9895

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9895裏

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Cal.849(ETA2850)

文字盤は、9219(80)とほぼ同じですが、刻印が9895となっています。

そしてムーブメントがHAMILTON Cal.849(ETA2850ベース)です。

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2850の文字が

これは28,800振動の廉価版のモデルのようです。裏蓋にはLANCASTERの刻印があることから、9219と9415の間で一瞬発売されたのでしょうか?

The Military Watch Resourceのページにヒントがありそうです。

www.mwrforum.net

これによると、軍に供給していたモデルのGG-W-113で、このHAMILTON Cal.849を搭載しているものがわずかに存在しているようです。軍用のものは製造年月が記載されていて、リンクのページの時計は1982年11月のもののようです。

市販モデルは軍用のGGとパーツは共通しているので、9895もこの時期に生産されたのではないでしょうか?

すぐに9415に移行したのではないかと思われます。

 

とりあえず、すべての型番をざっと一通り紹介しました。

HAMILTON Khaki ハミルトン カーキ (2)

ハミルトンカーキの型番は921913や、921976のようにカタログ、箱、保証書などに記載されています。

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カタログ

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初期のころの箱

しかし、時計の裏には、9219や9415のように、4桁以上の番号まで刻印されていないことがほとんどです。また、時計固有のシリアルナンバーの刻印もありませんので、製造された日付を知る手掛かりが文字盤等の微妙な違いで判断するしかありません。
また、9415、9415Aの刻印のモデルに関して、9415で始まる長い型番が見当たりません。

私が1991年に購入した保証書には「453H18104032」という記載がありますが、ネットにはこのような番号は出てきません。この番号は何でしょうかね?

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型番「453H18104032」?

1999年発売のムック本「ミリタリースタイル」には、型番が921913と紹介されているので、刻印が9415Aでもずっと同じ番号を使い続けていたのかもしれません。確かに箱には921913とシールが貼ってあって、本体の刻印は9415Aということがよくあります。

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921913

実際の裏蓋は以下のようになっています。

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9219

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9415A

カタログの名前も、その時々によって変わるので、さらに複雑です。

Khaki Mechanical、Khaki Field Mechanical、Khaki Basic Mechanicalと一定していません。

現在、私が確認している刻印は、9219, 921980, 9415, 9415A, 9895です。

HODINKEEの記事によると、9219と9415の2種類となっていますが、実際の刻印としては5種類あるようです。私は、5種類所有しているので間違いないでしょう。

次回から各刻印と文字盤の違い、そしてムーブメントの違いを紹介していきたいと思います。

 

BULOVA ACCUTRON Spaceview 214の修理 4

前回、eBayで購入したブローバ アキュトロンのコイルアッセンブリーも壊れていることが判明しましたが、元の壊れているコイルアッセンブリーとは反対側のコイルが切れていることが判明しました。今回は、生きているコイル同士を合体させます。

単にリード線をハンダ付けしなおすだけで、完成です。

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右が生きているコイル同士を組み合わせたもの

今回は、テスターでコイルが切れていないことを確認し、ハンダ付けも問題ないことをチェックしてから組みなおしました。

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組み立て完了

コイルの発振確認ができる状態まで組み上げ、いざ電池を載せて、発振チェックです。

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電流が流れています

ムーブメントを小突くと、発振している音が聞こえて、電流が流れました。

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マニュアル13ページ

整備マニュアルによると電流値は4.5から7.0マイクロアンペアとのことなので、6マイクロアンペアの電流値を示しているのでOK範囲内ということです。(テスターのレンジを切り替え忘れたので、写真の表示はmAです)

ルーペで覗くと、ギアが回転しているのが見えます。

ということで、ようやく復活しました。

ムーブメントが復活したので、来週末は、購入してある予備の風防への交換と、ケースの傷を磨いて、最後まで組み立てて完成させたいと思います。

 

ちなみに、部品と一緒に「THE COMPLETE GUIDE TO BULOVA ACCUTRON WATCHES」という本も購入しました。

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THE COMPLETE GUIDE TO BULOVA ACCUTRON WATCHES

ACCUTRONシリーズのコンプリートガイドです。ACCUTRONもコレクターは多いのですが、やたら種類が多く、違うモデルの部品を流用して修理してあったり、修理用の互換パーツも多く販売されていて、それが使われていたりすると、どこまでがオリジナルなのかの判別が難しいです。

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ムーブメントの説明と発売されたほとんどのACCUTRONの写真が載っていま

この本の半分以上は、セールス用のカタログの掲載です。モデル名と簡単な説明と共に写真が載っています。500ページもある本ですが、何冊売れるのでしょうかね?

HAMILTON Khaki ハミルトン カーキ (1)

 ミリタリーウォッチの定番のHAMILTON Khaki(ハミルトン カーキ)シリーズですが、定番なのにインターネットでは情報があまりまとまっていなくて、私を含めて、困っている人が多そうなので、情報を整理して少しずつまとめていこうと思います。

ハミルトンの歴史の詳細はオフィシャルホームページを参照してください。

1892年にアメリペンシルバニア州ランカスターが創業の地です。最初は鉄道時計がメインだったようです。(鉄道時計もコレクターが多いですね)

それから航空時計、軍用時計へと移行していきます。

Khakiシリーズの原点は、ベトナム戦争時代(アメリカ軍が上陸した1965年から終結する1975年)の軍用時計(一般的にベトナムウォッチと呼ばれているタイプ)を復刻したものです。

このデザインで、ハミルトンから軍に供給されたものは、FAPD 5101 TYPE 1 Navigation, GG-W-113, MIL-W-46374A, MIL-W-46374B, MIL-W-46374Dがあります。

このタイプの市販モデル(ケース径33mm)は、1980年頃から、2003年まで生産を続け、デカ時計ブームにより、ケースサイズが小さいKhakiオリジナルモデルは、そこで一旦生産終了しています。その後、2004年にLimited Edition(H73319833)として、750本限定生産されました。

しばらく、手巻き式のデイト表示なしのモデルがラインナップに無い時代が続き、2017年11月にケース径が38mmになったモデルが「カーキ フィールド メカ」として、ハミルトン ブティック 東京 キャットストリート店のオープンを記念して世界で先行発売されました。そして同年12月下旬から一般販売となります。

2019年にムーブメントをパワーリザーブ80時間のH-50に変更し、今に至るということになります。

まずは、オリジナルの33mmの整理から始めていこうと思いますが、疲れたので今回はここまで。

私は、1991年に初めてKhakiを購入しています。当時は定価が2万円台でした。キャンバスのストラップと、緑色と茶色ナイロン・ストラップが標準でセットになっていたと思います。

次回から、ケースに刻まれた型番、9219, 921980, 9895, 9415, 9415Aの詳細について見ていきたいと思います。

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91年購入のKhaki
2021.10.9まとめページを作成しました。

 

2023.04.30最新のまとめページ


BULOVA ACCUTRON Spaceview 214の修理 3

eBayで3,000円程度で購入したブローバ アキュトロン214のコイルアッセンブリーが届いたので、ムーブメントに取り付けます。

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届いたパーツ

ガムテープを貼っていたような汚れがついていたので、きれいに取って、組付け。

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問題なく、入りました。

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取付完了

通電して、音叉が振動を続けるかをチェックします。

ん?、動かない・・・。

 

テスターでコイルが切れていないかチェックしたら、左側のコイルが切れている!

交換する前のパーツは右側のコイルが切れていたので、週末に生きているコイル同士を組み合わせることにします・・・。

やはり今回も確認せずに先に進めてしまったのが良くなかったので、もう少しわかりやすく言い換えて・・・

 

教訓:パーツは、問題ないかをチェックしてから組付けること

 

eBayでは、「時計屋の保管品で、動作確認はしていない」とのことだったので、確認せずに使う方が悪いですね。まぁ、「動作確認できていない」というときは壊れていることが多いんですよね。本当は、「壊れていることは確認できている」場合が多いんじゃないかと思います。

こんなことはよくあるので、同じ時にこのパーツを更に2個落札してあります。そちらは、まだ届いてないのですが・・・。

とりあえず、週末にパーツを組み合わせてテストしてみます。それでも動かない場合は、追加のパーツが届くまでお蔵入りです。

Machinist Calc Pro

久々に電卓の記事です。

以前、旋盤の部品等を輸入する際に、そのサイトで販売されていた機械加工用の計算機「Machinist Calc Pro」という電卓も購入していました。

説明書をパッと見ただけで、ずっと使用していなかったのですが、久々にサイトを覗くと、いつの間にか「Machinist Calc Pro 2」という新しいバージョンが販売されていました。

当時は便利さが良くわからなかったのですが、今一度、何ができるか確認してみました。

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Machinist Calc Pro

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ケースから電卓本体だけを外すことができます。

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本体のみ

当然、普通の電卓として使用できますが、機械加工技術者用なので、その部分をマニュアルを読みながらテストしてみます。

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マニュアルを読みながら機能を試してみます。

基本の単位がインチになっているので、環境設定で単位設定をメートルに変更しておきます。マニュアルの例は全てインチなので、感覚的に分かりにくいです。

そもそもドリルがインチの場合、サイズは番号で呼んだりするので、それを実際の径に換算する機能なんかもこの電卓にはあります。#36のドリルの径は0.1065INCHだそうです。

まずは、4mmのエンドミルを使うということで、直径4mmを設定。

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直径4mm

加工の速度を50m/minに設定。

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加工スピード50m/min

スピンドルの回転数は3,979rpmに設定しなさいという答えが出ます。

エンドミル屋さんのホームページの表と同じ値でした。

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スピンドルの回転数

ただ、自宅のホビー旋盤では、3,979回転も速度が出ないので、スピンドル回転数をMAXスピードに設定します。

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回転数を1800回転に設定

そうすると、加工速度は23m/minに設定すると良いことが分かります。

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加工速度は23m/min

なるほど、なかなか便利かもしれませんね。いちいち換算表を見たり、手計算したりしなくても簡単に答えが得られます。

あと、良く使いそうな便利な機能として、ネジのタップの下穴サイズを出す機能があります。

まず、ネジのサイズをM4の並目(0.7mmピッチ)に設定します。

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ネジサイズを設定

タップの下穴は3.3mmだということが分かります。

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タップ下穴

いつもは一覧表を見て下穴を開けているのですが、その表が電卓の中に入っているということですね。ただ、一覧表はタップのところに常に置いてあるので、それを見た方が早い気もしますが・・・。

自分が一覧表でよく見るのは、六角穴付きボルトの座繰り径と深さですが、それは入っていません・・・。

とりあえず旋盤、フライス盤のそばに置いておくことにします。