ダイバーズ・ウォッチ関連ということで、ジャンク品として落札したカーキ・サブの状態を確認してみようと思います。修理することで頭がいっぱいだったので、写真をあまり残していませんでした。
ということで、修理後の写真です。本当はガラスも内部が曇っていてヌケが悪かったのですが、拭いたらきれいになりました。
ジャンク品として出品されていた理由は、カレンダーが更新されないということでした。確かに、リューズでカレンダー操作すると日付は変わりますが、針で変えようとしたら、中途半端な位置まで行って、日付がパチンと変わらずそのままになります。
ということで、分解して確認しましょう。
ムーブメントはETA 955.124です。ん?
これって、本当ですかね?実際は、曜日なしのETA 955.114あたりを使用していたんじゃないかと思いますが、修理の際に同じものが無くて、在庫のあった955.124に交換してしまえ、とかじゃないかな?どう考えても無駄ですし、壊れるリスクも高くなります。
特に問題なさそうに見えます。おそらく、ギアが変な状態で噛んでしまっていたのではないでしょうか?とりあえず全て分解して、歯が折れたり、削れていたりしていないかチェックしましたが、特に問題なさそうです。
ただ、曜日カレンダーを外す際に、固定するための止め輪(Cリング)を飛ばしてしまいました。いくら探しても見つかりませんでした・・・。部屋の中にあるのは間違いないのですが、自分は時計師ではないので、専用の部屋で作業をしているわけではないので、他に物がありすぎで、何かの隙間に入ったらもう見つけられません。
ということで、諦めて新規で製作することにします。ルーペで見ると溝が切ってあるのが分かります。
とりあえず、この溝を計測しないと製作できません。測定顕微鏡で正確にサイズを確認します。
軸の中心付近にフォーカスを合わせて、計測します。結果は以下の通りです。
(画像計測ではないので、結果を適当に書き込んだだけです。矢印の位置とか線が曲がっているとか気にしないでください。あくまでも測定結果です。)
ということで、厚みが0.1mmで穴径が1mmのCリングを作成します。材料は手持ちのMonotaroブランドの0.1mmのシムテープ。Monotaroのキャラクターの絵のおでこに乗っかっているのが切ったステンレステープです。
完成品の写真を撮るのを忘れていましたので、削りカスがいっぱいついた製作途中のピンボケ写真を載せます。
(本当は仕上げる前で汚いのでアップしたくなかったのですが、再度取り外したくないので・・・)
この後、外径をもう少し落として、Cの切れ目をもう少し広げてという作業をして、入るように仕上げました。
で、ギアを全て組みなおしたら特に問題なくカレンダーも復活しました。でも、Cリングを製作するあたりから撮影するのを完全に忘れていたので写真はありません。
昨日の夜は、日付がちゃんと変わっているし、今も時間があっているので、特に問題なさそうです。
さて、このKhaki Subですが、2000年のカタログを見ると定価は47,000円で、結構いい値段をしています。
Khaki Quartzは24,000円なので、キャンバスベルトと金属ブレスレットの違いはあるとしても値段の差が結構ありますね。
ちなみに、MECHAとQUARTZは同じ値段です。カレンダー追加することで、安いクオーツムーブメントを使用していてもプラスの価値を与えたということでしょうか?