TIMEXキャンパーの歴史を紹介しましたが、所有している黄色い針の手巻きキャンパーが見つからなかったので、白色の針の手巻きキャンパーしか紹介できていませんでした。
今日、時計を保管している箱の中を探して、ようやく見つけ出しました。
元々調子が悪かったので、ついでに修理することにしました。
ということで、今回は、ネットにほとんど情報の無い、手巻きキャンパーの中身を紹介することができます。
プラスチックもかなり劣化しています。裏は、「ASSEMBLED IN PHILIPPINES」「AB」「WATER RESISTANT」の文字があります。
ちなみに白色の針の真ん中の文字は「71」でした。ロットナンバーでしょうかね。
さて、BENRUSのディスポーザブルウォッチ同様、裏蓋はボディ一体で外れないので、分解するには風防を外します。
分針と秒針の先端は文字盤側にカーブしています。
リューズの外し方に悩みましたが、文字盤の隙間から軸を見ると、切り欠きが付いていたので、先端が細いヤットコで軸を挟んで、リューズを回すと取れました。
文字盤とムーブメントは文字盤の足を折り曲げて固定してあります。
全てが使い捨ての作りになっています。
ヒゲゼンマイが外側で重なってしまっています。
重なりを直して、少し修正して歯車を洗浄し、注油して組み立てなおしました。
ムーブメントの上に書かれている文字は「B3N」「NO(0) JEWELS UNADJUSTED」「TIMEX」「PHILIPPINES」です。
組むのは結構難易度が高いと思います。価格を安くするために、部品点数を少なくしているので、1枚の板だけで全てを固定しています。よって、全部の歯車の軸を1枚の板の穴に一気に入れる必要があります。
歩度を合わせますが、石なしのムーブメントなので、軸がすり減っているのか、姿勢差がかなりあります。適度なところで調整終了。
リューズのネジ部にネジロックを塗布して、簡単にリューズが取れないようにしておきます。
ケースの内側はほとんど劣化していません。
文字盤の隙間からヤットコで軸を固定し、ネジロックを塗ったリューズをねじ込みます。
風防を取り付け、ナイロンベルトを付けて完成です。
かなり簡素な作りのムーブメントでしたが、1980年頃の大量生産の格安ムーブメントはこんな感じなのかもしれません。
飾り気がないところがこの時計にピッタリだと思います。