OptoEleMechの日記

主に時計、電卓、カメラの話題

シャッタースピードテスターの製作(その9)

少しソフトウェアを修正しました。

とりあえず、バージョン1.0としておきました。

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とりあえずVer.1.0

測定モードを選択するように変更して、レンズシャッターカメラ、フォーカルプレーンシャッター縦、横、の3種類を事前に選択しておくことにしました。

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レンズシャッター

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縦走り

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横走り

そして、幕速度とセンサーの穴サイズから余分に反応しすぎる時間を計算して、その分を差し引いて表示するようにしました。一番下のTime Compが、補正した時間です。

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Nikon F80 1/500秒

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分数表示

モードを事前に選択しているので、幕速度が計算できます。

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幕速度

1/10秒を計測してみると、理論上は100msecが正しい値ですが、87msecという露光時間が少し短かい結果となりました。補正時間は0.476msecなので、その影響は関係ありません。

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1/10秒

1/11.5秒程度ですね。

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1/11秒

露光時間を10秒に設定すると、11秒以上となっています。桁が多くなると文字が切れているので表示を見直さないとダメですね。1秒以上の場合はmsec表示ではなく、sec表示になるようにプログラムを変更した方が見やすそうです。

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10秒

1秒もずれがあるのなら、ストップウォッチで音で計測しても分かるだろうと思って、やってみました。結果は、11秒47なので、やはり1秒以上長そうです。

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ストップウォッチで計測

そんなもんなんだろうということで、レンズシャッターのRollei 35も測定してみます。

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Rollei 35

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センサー

最高速の1/500秒は、出てなさそうです。

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結果

以前、ブレッドボード上で測定したときも2.764msecだったので、同じような結果です。

optoelemech.hatenablog.com

1/30秒を測定してみると、1/24.54秒でした。

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1/30秒

カメラ用シャッタの規格は、JIS B7091に示されていて、全露出時間や、有効露出時間の算出方法も規定されています。

特にレンズシャッターの場合、シャッターの羽が開いて閉じる時間があるので、一気に最大の光量になるわけではなく、絞られた状態から徐々に光量が増えて、設定の絞り値のサイズを保持して、また絞られて行って完全に閉じるという変化の時間があります。

有効露出時間は、この光量を積分した値で考えるので、光量も測定しなければ正しく計算できません。

また、露出時間の基準値は、2のn乗分の1ごとになっているので、1/2, 1/4, 1/8, ...1/128, 1/256, 1/512となります。

つまり、1/500秒は正確には1/512秒なので、1.95msが露光時間となります。上の写真のNikon F80の平均露光時間は1.952msecとなるので、結構いい値が出ていることになります。

切りの良い1/8秒をF80でテストしてみたところ、123msec、1/8.11秒という結果が出たので、理論値の125msに近く、正しく計測できていそうです。

では、1/10秒や10秒の正しい時間は何になるのでしょうか?2の3乗分の1は、1/8秒で、2の4乗分の1は、1/16になり、1/10秒はその間です。2の3.5乗分の1は、1/11.31なので、測定結果と近くなります。10秒も、11.1秒という結果だったので、2の3.5乗の11.31に近そうです。

反応速度重視で、センサーとしてHoneywell SDP8600-001を使用していますが、このセンサはOptoschmitt Detectorなので、反応できる光量になると一気に出力ONとなり、光量にリニアに反応しません。

高速応答のフォトダイオードを使い、アナログ入力で波形を捉えて、JISに基づいて計算すれば、かなり良いシャッターテスターになりそうです。でも、そこまでやる必要性ないか・・・。