OptoEleMechの日記

主に時計、電卓、カメラの話題

Rollei35のフィルム巻き上げギアの3Dプリント

Rollei35のフィルム巻き上げギアをNCフライスで加工して、製作しましたが、最近流行の3Dプリンターで出力して使用できないかをテストしてみました。

有名なDMM.makeで出力を依頼ました。

3Dデータをアップロードして、素材を「ABSライク樹脂」を選択して、注文したら約1週間程度で送られてきました。

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3Dプリントされたギア

これだけの部品ですが大きな箱に入って来ました。

部品が小さいので、撮った写真を拡大するとピンボケでした・・・。

ん~、いかにも3Dプリンターで出力されたモノという感じです。

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素材を変えると、もっと高精細に3Dプリントできるのですが、ギアなので強度が必要なので、ABSライク樹脂にしました。

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ギアも、何とかギアの形を維持しています。

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側面が結構ガタガタしています。

とりあえず、カメラを分解して組んでみます。

まずは、フィルム巻き上げレバーの化粧蓋をカニ目レンチで取ります。

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外れました

シャッターボタンの横のレンズ沈胴ボタンをカニ目レンチで外します。

バネが入っているので飛ばしてしまわないように気を付けないといけません。

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鏡筒沈胴ボタン

撮影終了時にフィルムを巻き戻すためのリリースレバーと真ん中の固定ネジをカニ目レンチで外します。

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フィルム巻き上げリリースレバー

レバーの下のリングも外しておきます。

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リング

ペンチでレバーの軸をつまんで、フラット面が右に来る位置に回し、引っ張り抜きます。穴の中に見えている棒状のバネで抜けないようになっているので、フラット面を合わせないと抜けません。

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両側面のネジを外すと上カバーが外れます。

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ネジ

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カバーが外れました

上蓋を勢いよく外すと、シャッターボタンの裏から刺さっているピンが外れるかもしれないので注意してください。ギアの位置をマーキングしておくと組み立てやすくなります。プラスチックギアのネジを外せばギアを取ることができます。

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マーキング

スプリングの先端がカメラに引っ掛かっているので、場所をよく覚えておきます。

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取り出したギア

依頼製作したパーツを準備します。まずは、問題なく軸に入るかスプリングを取り付ける前にカメラに入れてみます。最初、少し穴が固い気がしましたが、入れて、少し回したらスムーズに回るようになりました。ギアも最初は少し入りにくかったのですが、入れば問題なく動きました。

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3Dプリントしたパーツ

元のパーツから外したスプリングを入れて、先端部をピンに引っかけます。

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スプリング

元の位置に戻します。この時、ギアを少し回して、スプリングに少しテンションがかかる位置に入れるのがコツです。

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組み上げ

巻き上げレバーを仮止めしてテストしてみます。

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テスト

正しい位置にギアが設置されれば、下の青矢印の白いパーツが、少し上に入った状態になります。ギアの下部の羽に接触しているようだと、ギアのかみ合わせの位置を少し変えます。

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白いパーツが入る

白いパーツが入り込むのは裏の羽の青い矢印の部分です。

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この部分

動作が問題ないことを確認したら、上蓋を元に戻します。

少しコツがいるのは、フィルム巻き戻しレバーの組み立てです。僕がやる時は、細い度ラーバーを穴の中に入れて、ピンが引っ掛かるパーツを少し上に上げた状態にして、下のフィルム送りの位置を少しずらして、下に下がらないようにしておきます。

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軸を入れやすくしておく

この状態で、軸を入れると、軸についているピンが中のパーツより上に行くことはありません。軸を入れたら、面取りされている部分が左右になる位置に回して、フィルム送りを指で回してカチャっと音がして回らなくなったら、フィルム送り側です。回り続けるようであれば、巻き戻し側です。レバーの位置を間違えないように入れます。

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レバー

あとは、他のパーツを逆順に戻せば、完成です。

最初、見た時はどうなるかと思いましたが、特に修正もせずに動作しました。少し紙ヤスリ等で表面を整えると、もっと滑らかになるかもしれません。

現在、DMM.makeのクリエイターズマーケットに出品申請中なので、申請が通ったら誰でも購入できるようになるので、また案内します。