30分計の針が取れてしまった、1963 中国空軍のパイロット・クロノグラフですが、早速修理しました。
前回、針が取れてしまったところの写真がこちら
固定器で時計を固定して、裏蓋を開けます。
10角形に面取りされているタイプの裏蓋です。
本物かどうかわからないSEA-GULL ST1901を取り出します。リュウズを抜くためにオシドリを押しますが、結構抜くのに力が必要で、すんなり抜けてくれません。単にスムーズではないだけのようでした。ふつうは押せば抵抗なく抜けるものなのですが・・・。
ムーブメントを分解せずに、リュウズを抜いて、また戻す場合、リュウズは押し込まれた状態(ネジを巻く位置)のまま、オシドリを押して巻真を抜き取ります。
引いた状態(時刻合わせの位置)の状態で芯を抜き取って戻すと、勢いでカンヌキ、オシドリ、キチ車が、変な状態にかみ合ってしまうことがあり、そうなると分解しないと戻せなくなります。
無事、ムーブメントを取り出すことができました。
30分計の針のハカマに横からカシメた跡があります。元から緩くて問題があったんでしょうね。
とりあえず、針を刺して、ストップウォッチを動かして、リセットすると30分針がクルクル回って、0ではない位置になってしまいます。本来はハカマを締める専用の工具で周りを均等にカシメるのですが、今回は元が側面の一部をカシメてあったので、同じようにすることにします。
ということで、ポンス台を持って来て、ハカマの同じ位置を少しカシメます。
針をもう一度取り付けて、少し入れるのが固くなっていることを確認して、何度かテストしてみましたが、問題なさそうです。
さすが、数回使用しただけで、針が取れてしまうなんて、安いだけの品質ですね。自分で修理できない人は、送料を考えると中国の購入店で修理してもらうより、町の時計修理屋さんに出した方が安くなりそうですが、修理代が本体の値段に近くなってしまうかもしれません。
さて、肝心のストップウォッチの感触ですが、スタートのボタンは少し硬くて、出だしの針の動きが少しぎこちないのはご愛敬ですね。ただリセットは非常に軽くきっちり0に戻ります。これは心地よい動きです。
裏から見えるムーブメントの装飾は雑さが出ているので、イマイチですが、クロノグラフの動きを見ることができるので、見ていて飽きません。
オフィシャルの復刻モデルだとムーブメントが見えないので、このイミテーション版(?)は、その点は面白いんじゃないでしょうか?
2万円せずに買うことができる手巻き式クロノグラフはSEA-GULLのST19を載せたモデル以外に無いのではないかと思います。このデザイン以外もたくさんあるので、買って損はしないと思います。