LIGHT LENS LABから1966年に登場したLeica Noctilux M 50mm F1.2を再現したM NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.が今年初めに焦点工房で販売を開始しました。中国の投資家の周さんの作ったものなので「周ノクチ」と呼ばれています。
僕は、本家Leicaが復刻したNoctilux M 50mm F1.2 ASPH.を持っていますが、 どこまで再現できているかを見たくて思い切って購入してみました。
今までも、LIGHT LENS LABのレンズは何本か購入して、その出来具合に満足していましたが、この2本を比較すれば、LIGHT LENS LABの実力が分かると思いました。
元々復刻版Noctiluxの限定100本のシルバーが欲しかったので、真鍮鏡筒のシルバークロームを予約して購入しました。本家復刻版シルバーの中古は1,000万円程で売買されています。
ライカ復刻のブラックは、アルミボディにブラックアルマイトですが、LIGHT LENS LABでは、アルミボディ、ブラックアルマイト以外に、真鍮ボディ、ブラックペイントの選択肢もあります。
レンズキャップ、マウントキャップの両方とも金属です。
付属品として、レンズフードとNDフィルターが付いてきます。
NDフィルターはND4です。
フードには、UVフィルターが内蔵されています。
上の写真ではUVフィルターが分かりにくいので、裏から撮影したものも載せておきます。
見た目は本家とそっくりです。
横にLeica復刻版と並べて比較してみます。高さを合わせるためにマウント側のキャップを変えました。
おそらく、LIGHT LENS LABの方が、オリジナルの形状に近いように思います。フードを取り付ける先端の鏡筒のストレート部の長さが違いますが、1966年のオリジナルも少し長めです。
フォーカスリングもほんのわずかにLIGHT LENS LABの方が、太くなっているのですがオリジナルに忠実な気がします。文字の字体もオリジナルに近いのはLIGHT LENS LABです。
そして、大きく違うのはレンズのコーティングの色味です。LIGHT LENS LABは、少し赤褐色っぽいコーティングで、一般的にはアンバー(琥珀)系のコーティングと呼ばれます。これもオリジナルに近づけているのだと思います。
本家ライカの復刻は、レンズ構成はそのままで、コーティングを最新のものを使用したり、外観を少し現代的にアレンジしたりしたものです。
一方、LIGHT LENS LABはオリジナルのNoctiluxを出来るだけ忠実に再現しようとしたものだと言えると思います。
真鍮製なのでかなりずっしりと重たいです。
早速いつもの自宅の玄関での撮影でテストしてみます。NoctilucentとNoctiluxを交互に掲載します。
ほとんど同じ描画です。
次に少し離れて撮影してみます。
ほぼ同じ雰囲気です。
一部を切り出してみます。フォーカスを目に合わせたつもりが、向かって右側の耳あたりに合っているようです。フォーカスガイドだと目のあたりに合っているように出ていたのですが、目のあたりだと黒と白のコントラストが強いのでピークが出ていたのかもしれません。
焦点工房の説明では「光学的特性はオリジナルの個性を維持しつつ、わずかに性能を向上させ、より使いやすいレンズとして製品化しています。」とのことなので、オリジナルよりも性能を向上させているということだと思いますが、撮影時のフォーカスエイドを見ている限り、本家LeicaのNoctilluxの方が性能が少しだけ上のような気がします。
フォーカスリングを回してピークを確認しながら撮影したのですが、Noctilucentは、フォーカスリングを回してもピークが少し出にくい気がしました。つまり、MTFが少し低い感じです。Noctiluxの方が細かい模様に対してコントラストのピークが出やすい気がします。ただ、ほんのわずかな差です。
まとめ
LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. は、本家Leica Noctilux M 50mm F1.2を非常に良く再現していると思われます。
Leica Noctiluxの雰囲気を味わいたい人にとっては良い選択肢だと思いますが、安くないので気合は必要です。
もう少し気軽に50mm F1.2を試してみたいのであれば、フォクトレンダーのNOKTON 50mm F1.2 Asphericalであれば、NOCTILUCENTの1/3の価格で入手できます。
NOKTON 50mm F1 Asphericalでさえ、NOCTILUCENTより安いので、素直にこのあたりを購入した方が幸せな気がします。
まぁ、完全に趣味の世界なので、好きなレンズを購入して楽しめばいいのですが・・・。